KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


【プロフィール】
iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

前回で基板データの作成は大方終わりましたので、最終確認としてデザインルールチェックを行います。
KiCadは「リアルタイムDRC」という機能があり、配線などをしている時は常にデザインルールチェックをしてくれており、配線のクリアランスが満たされない箇所などは配線できないようになっています。
ですので、最終確認で行うデザインルールチェックに引っかかることはあまりないと思いますが、ポカミスを防ぐためにも念には念を入れて行います。

デザインルールチェックの方法は『DCジャック変換基板の作成(15)』の記事と同じ内容ですので、引用します。
引用元:DCジャック変換基板の作成(15)〜プリント基板データの作成(その8)〜
KiCadを使ったDCジャック変換基板の作成例です。よろしければこちらの記事もご覧ください。

デザインルールチェックを行う


プリント基板エディタを使う際に、基板メーカの製造仕様に合わせてデザインルールの設定を行いましたが、それを満たした基板となっているかを確認します。
 

  • 上側のツールアイコンから「デザインルールチェックの実行」アイコンをクリックします。
  • DRC(デザインルールチェック)のウインドウが開きます。
  • オプションの欄はデザインルール設定で行った値があらかじめ入力されていると思いますので、そのまま「DRCの開始」ボタンをクリックします。

すると、メッセージの欄に実行中の動作が表示されます。

メッセージに「終了」と出ればDRCは終了です。この時にエラーメッセージの欄にエラー表示がなければ、デザインルールチェックは問題なしということになります。

 DRC1

もし、パターン間の間隔が狭かったりするとその旨のエラーと基板上にマーカーが表示されます。
その時は配線や部品を再度調整して、エラーが出ないようにする必要があります。


DRCを実行してエラーメッセージが表示されなければOKとなります。

リアルタイムDRCについて

・配線中またはベタ配置中にクリアランスなどがチェックされ、満たされない箇所は配線やベタ配置ができないようになっています。
配線中の例
リアルタイムDRC1
 
ベタ配置中の例
リアルタイムDRC2
リアルタイムDRC3

・ただし、フットプリントの移動に関してはリアルタイムDRCは働かず、好きな場所へ移動できてしまうようですので注意が必要です。 

次 > 基板発注(その1)
前 > プリント基板データの作成(その3) 


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