KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


【プロフィール】
iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

今回からKiCadを使って回路図を書いていきます。
その前に、前回使用する部品は検討したので整理してみます。

使用部品

  • CPU       : ATtiny85-20PU (Atmel)
  • 1W白色パワーLED : OSW4XME1C1S-100 (OptoSupply)
  • 1WフルカラーLED : OSTCWBTHC1S (OptoSupply)
  • 3.3Vレギュレータ : NJM2884U1-33  (新日本無線)
  • MODFET     : IRLML6344TRPBFTR  (IR)
  • LED電流制限抵抗 : 47Ω、3Wくらいの酸化金属皮膜抵抗 
  • その他の抵抗およびコンデンサ : 小型化のため、基本はチップ抵抗を使用 

部品の選定基準としては、秋葉原(主に秋月電子さん)で購入できるものとしています。 

手書き回路図

すでに頭の中に回路図が浮かんでいれば、いきなりKiCadで回路図を作り始めても良いのですが、メモ程度のラフな手書き回路図があると進めやすいと思います。
手書き回路図


KiCadプロジェクトファイル保存用フォルダを作成

では、KiCadを使用する準備をします。 
  • 今回作製するLEDランプ基板用のプロジェクトファイルを保存するためのフォルダを作ります。
今回は「LED_board1」というフォルダを作成して、このフォルダを使っていくことにします。
自分の場合は、「保存用フォルダ名」=「KiCadプロジェクト名」=「基板名」 として管理していますが、この辺りは個人のやりやすい方法で良いと思います。
フォルダ作成


KiCad新規プロジェクトを作成

KiCadを起動し、メニューから
  1. [ファイル] > [新規プロジェクト] > [新規プロジェクト] を選択します。新規プロジェクト1
  2. 作成するプロジェクトファイル名の入力と保存場所を指定します。
  3. 保存場所は上記の「LED_board1」フォルダとします。新規プロジェクト2

KiCadの回路図エディタを起動

プロジェクトファイルが作成されると、「LED_board1.sch」という回路図のファイルが作られます。
これをプロジェクトマネージャ画面でダブルクリックすると、回路図エディタ(eeschema)が起動します。
回路図エディタ起動

コンポーネントを配置

回路図上に「抵抗」や「CPU」といったコンポーネント(回路部品のシンボル)を置いていきます。
  1. 右側アイコンの「コンポーネントを配置」をクリックして選択
  2. 回路図上の適当な箇所でクリック
  3. コンポーネントを選択する画面が開くので、任意のコンポーネントを選びます。コンポーネント配置

CPUのATtiny85のコンポーネントは標準で用意されているので、まずはこれを選びます。
  • 「atmel」ライブラリ > 「ATTINY85-20PU」を選択して「OK」をクリックATtiny85コンポーネント
回路図上の適当な箇所でクリックすると、コンポーネントが配置されます。ATtiny85コンポーネント配置
 

他のコンポーネントも同様に選択して配置します。
  • 抵抗       : 「device」ライブラリ > 「R」
  • コンデンサ    : 「device」ライブラリ > 「C」 
  • Nch MOSFET   : 「device」ライブラリ > 「Q_NMOS_GSD」
  • コネクタ     : 「conn」ライブラリ > 「CONN_01x02」、「CONN_01x08」 
  • タクトスイッチ  : 「switches」ライブラリ > 「SW_Push」 
  • 3.3Vレギュレータ : 自作ライブラリ
(※)3.3Vレギュレータのコンポーネントの自作については、下記記事で説明しています。
   『3.3Vレギュレータ「NJM2884U1-33」の回路コンポーネント作成

手書きの回路図をもとに、配線しやすいように適当に配置していきます。


次 > 回路図作成2(配線)
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