最近、100円ショップで色々なLEDランプを見かけますね。
どんな回路や基板になっているのか、気になって一つ購入してみました。


5V出力のUSB電源に接続して点灯してみたところ、かなり明るいです。
明るさだけなら市販のデスクライト並みに明るいように感じます。
高輝度LEDが使用されており、かつ、LED電流が大きめな回路になっているのでしょうか。
ただ、1分程度点灯を続けているとケース越しでも熱を感じます。


5V出力のUSB電源に接続した時の消費電流は約600mAくらい流れていました。
10個のLEDに均等に電流が流れると仮定すると、単純計算でLED1個当たり約60mAの電流が流れることになりますね。
・基板の表側

LEDが円状に10個実装されています。
・基板の裏側

裏面から見ると、おもて面の銅箔パターンの形状が良く分かります。
LEDを円状に実装するためにパターンの形状もそれに合わせた円形になっていますね。

手書きの汚い回路図ですが、基板を見た限りでは上記のような回路になっていると考えられます。
電流制限抵抗の合成抵抗値
電流制限抵抗の4.7Ωが2個並列で、合成抵抗値は2.35Ω
順電圧
消費電流の実測値が600mAだったので、
抵抗の損失
4.7Ωの抵抗1個に流れる電流は300mA、そこから抵抗の損失を計算してみると
使用されているチップ抵抗の仕様は分からないので推測になってしまいますが、3216サイズ(3.2mm x 1.6mm)なので、定格電力は0.5Wくらいかと考えられます。
(定格1W以上のチップ抵抗は、6432サイズ(6.4mm x 3.2mm)以上のものが多いように思います)
定格0.5Wだとすると、実測で0.423Wの定格ギリギリとなっており、抵抗の動作条件としてはかなり厳しい状態であるといえます。

サーモカメラで測定したので、温度の精度はそれほど正確ではないかもしれませんが、1分くらいの点灯でLEDの電流制限抵抗が100℃以上になり、かなり高温になっていました。
発熱を考えると、このままずっと点灯しっぱなしで使用するのは難しいように思います。
(チップ抵抗の電力損失が大きすぎて、発熱でコゲてしまう気がします)



基板の裏面は銅箔パターンがない(熱の伝わりが悪い) & ヒートシンクの取り付け方が適当なので、放熱効果はいまいちかもしれないですが、1分間点灯でも一応80℃くらいには抑えられていました。
今のところ、ちゃんとした改良は出来ていませんが、
今後、気が向いた時に放熱を工夫したり電流制限抵抗を変えてみたりして、どのくらい改善するか見てみたいと思います。
(2021/3/30追記)
発熱低減のための基板改造をしてみました↓
どんな回路や基板になっているのか、気になって一つ購入してみました。

購入したLEDランプの概要
- 電源はUSBから取るタイプ
- コネクタはUSB-Aタイプで、ケーブル長は1mくらい
- 面実装のLEDが 10個実装されている(とパッケージに書かれていました)
- 外装はプラスチック製で電球のような形状、フックなどに吊るせるような金具がついている
まずは点灯してみた

5V出力のUSB電源に接続して点灯してみたところ、かなり明るいです。
明るさだけなら市販のデスクライト並みに明るいように感じます。
高輝度LEDが使用されており、かつ、LED電流が大きめな回路になっているのでしょうか。
ただ、1分程度点灯を続けているとケース越しでも熱を感じます。
LED電流測定


5V出力のUSB電源に接続した時の消費電流は約600mAくらい流れていました。
10個のLEDに均等に電流が流れると仮定すると、単純計算でLED1個当たり約60mAの電流が流れることになりますね。
内部の基板を確認
LEDランプを分解して、実際に内部の基板を見てみました。・基板の表側

LEDが円状に10個実装されています。
・基板の裏側

裏面から見ると、おもて面の銅箔パターンの形状が良く分かります。
LEDを円状に実装するためにパターンの形状もそれに合わせた円形になっていますね。
- 片面基板で、基板厚は1mm
- レジストの色は白
- 片面基板なので裏面には銅箔のパターンは無く、放熱器なども無い
- 実装部品はLED 10個と電流制限抵抗(4.7Ω)2個というかなりシンプルな構成
- LEDパッケージサイズは 約5mm x 3mm
- 4.7Ωの電流制限抵抗は 3216サイズ(3.2mm x 1.6mm)
- LEDドライバーなどの制御回路はなく、電流制限抵抗を介してUSB電源のリード線が直結されている
回路図

手書きの汚い回路図ですが、基板を見た限りでは上記のような回路になっていると考えられます。
- 10個のLEDは並列に接続されている
- 各LEDごとには電流制限抵抗が設けられておらず、
並列に接続された2個の4.7Ωチップ抵抗で、10個のLED全体の電流を制限するようになっている
LED順電圧、抵抗の損失計算
せっかくなので、LED順電圧や抵抗の損失などを算出してみようと思います。電流制限抵抗の合成抵抗値
電流制限抵抗の4.7Ωが2個並列で、合成抵抗値は2.35Ω
順電圧
消費電流の実測値が600mAだったので、
- 抵抗の両端にかかる電圧=600mA x 2.35Ω = 1.41V
- LEDの順電圧Vf=5V - 1.41V = 3.59V
抵抗の損失
4.7Ωの抵抗1個に流れる電流は300mA、そこから抵抗の損失を計算してみると
- 4.7Ω抵抗1個当たりの損失W=4.7Ω x (0.3A)^2 = 0.423W
使用されているチップ抵抗の仕様は分からないので推測になってしまいますが、3216サイズ(3.2mm x 1.6mm)なので、定格電力は0.5Wくらいかと考えられます。
(定格1W以上のチップ抵抗は、6432サイズ(6.4mm x 3.2mm)以上のものが多いように思います)
定格0.5Wだとすると、実測で0.423Wの定格ギリギリとなっており、抵抗の動作条件としてはかなり厳しい状態であるといえます。
発熱測定

サーモカメラで測定したので、温度の精度はそれほど正確ではないかもしれませんが、1分くらいの点灯でLEDの電流制限抵抗が100℃以上になり、かなり高温になっていました。
発熱を考えると、このままずっと点灯しっぱなしで使用するのは難しいように思います。
(チップ抵抗の電力損失が大きすぎて、発熱でコゲてしまう気がします)
ヒートシンクをつけて発熱測定
とりあえず、手持ちの大きめなヒートシンクをテープで簡易的に固定して点灯させたらどのくらい発熱低減するか、少し試してみました。


基板の裏面は銅箔パターンがない(熱の伝わりが悪い) & ヒートシンクの取り付け方が適当なので、放熱効果はいまいちかもしれないですが、1分間点灯でも一応80℃くらいには抑えられていました。
発熱改善の検討案
現状ではとにかく発熱を抑える必要があるので、改善方法としては下記が考えられます。- ヒートシンクなどを設けて、放熱しやすくする
- LED電流を小さくして発熱自体を小さくする(電源電圧を下げる、電流制限抵抗を大きくするetc)
今のところ、ちゃんとした改良は出来ていませんが、
今後、気が向いた時に放熱を工夫したり電流制限抵抗を変えてみたりして、どのくらい改善するか見てみたいと思います。
(2021/3/30追記)
発熱低減のための基板改造をしてみました↓