前々から「ポストカードのようだけれど、実はプリント基板じゃないか!」みたいな見た目重視のプリント基板を作って見たいなぁと思っていました。
そんなことを考えているうちに年末が近づいている時期(11月くらい)になっていたので、どうせならプリント基板で年賀状を作ってみることにしました。
iw回路設計ウェブサイトの方の記事に年賀状基板の簡単な紹介はしていましたが、ここでは作成の過程について書いていこうと思います。
ただし、基板で表現できることは限られます。
今回はシルク&レジストの2色をメインにして、銅箔はワンポイントで入れるような形で考えました。
ただし、変換したフットプリントはモノクロ2値画像になるので、カラーやグレースケールの画像はうまく変換されず思ったような見た目にならないことが多いです。
あらかじめモノクロ2値でデザインした画像を用意した方が良いかと思います。
今回はパワーポイントを使って
下記のような感じでデザインを考えました。
下記のように 「謹賀新年」の文字部分とシルクで塗りつぶす部分をそれぞれ画像として用意することにします。
パワーポイントでは各スライドごとに画像でエクスポートできるので、ビットマップ画像で保存します。
同じように宛先面の画像も作りました。
このツールを使うことで、ビットマップ画像をシルク層やレジスト層のフットプリントに変換することができます。
KiCadのプロジェクトマネージャの画面で、「Bitmap2Component」アイコンをクリックするとツールが起動します。
こうして下記のフットプリントを作りました。
・銅箔の文字部分
・シルクの塗りつぶし部分
・宛先部分(全面シルクで塗りつぶし、郵便番号の枠だけシルクを抜いています)
これでひとまず年賀状基板に必要な素材は完成しました。
あとはKiCadの基板エディタ上で作業していくことになります。
後編に続きます。
後編 > 年賀状基板の作製(後編)
そんなことを考えているうちに年末が近づいている時期(11月くらい)になっていたので、どうせならプリント基板で年賀状を作ってみることにしました。
iw回路設計ウェブサイトの方の記事に年賀状基板の簡単な紹介はしていましたが、ここでは作成の過程について書いていこうと思います。
プリント基板での見た目の表現
まずは基板で表現できそうなデザインを考えることにしました。ただし、基板で表現できることは限られます。
色
紙の印刷と違い、通常はフルカラーの表現や階調表現はできません。- シルク層(大抵は白色)
- レジスト層(基板メーカーによって異なりますが、緑・赤・青・白・黒などの色が選べる)
- 銅箔(表面処理によって色が異なる)
今回はシルク&レジストの2色をメインにして、銅箔はワンポイントで入れるような形で考えました。
デザイン
KiCadでは画像をフットプリント変換できる機能があるので、自作の絵やロゴなどは比較的簡単に入れることができます。ただし、変換したフットプリントはモノクロ2値画像になるので、カラーやグレースケールの画像はうまく変換されず思ったような見た目にならないことが多いです。
あらかじめモノクロ2値でデザインした画像を用意した方が良いかと思います。
今回はパワーポイントを使って
- デザインを考える
- モノクロ画像を用意する
下記のような感じでデザインを考えました。
- ベースは赤色のレジストにして、下半面をシルクで白く塗りつぶす
- 「謹賀新年」の文字は銅箔にする(レジストを抜く)
- 屋号の文字はどうしても黒色で入れたかったのですが黒色の表示は基板ではできないので、後からインクジェット用透明ラベルシールを貼ることにしました。
モノクロ画像を用意
この作業もパワーポイントで行いました 。下記のように 「謹賀新年」の文字部分とシルクで塗りつぶす部分をそれぞれ画像として用意することにします。
パワーポイントでは各スライドごとに画像でエクスポートできるので、ビットマップ画像で保存します。
同じように宛先面の画像も作りました。
画像をフットプリントに変換
画像をフットプリントに変換するツール「Bitmap2Component」を使ってフットプリントへ変換します。このツールを使うことで、ビットマップ画像をシルク層やレジスト層のフットプリントに変換することができます。
KiCadのプロジェクトマネージャの画面で、「Bitmap2Component」アイコンをクリックするとツールが起動します。
手順
- 「ビットマップをロード」ボタンをクリックして、フットプリントに変換したい画像を読み込みます。
- 解像度の数値を調整してフットプリントサイズを調整します。ここをうまく調整しないと大きすぎたり、小さすぎたりといったことが起こります。
- ・フォーマットは「Pcbnew」を選択します。
・オプションは「ネガ」にすると白黒反転することができます。必要に応じて「標準」か「ネガ」のどちらかを選びます。
・レイヤーは「表面層のレジスト」か「表面層のシルク」のいずれかを選びます。
※レジストの場合:元画像の白い部分が銅箔部分(レジストが抜かれる部分)となり、黒い部分がレジストとなります。(オプションを「ネガ」にすると逆になります)
※シルクの場合:元画像の白い部分がシルク表示部分となります。(元画像の黒い部分をシルク表示にしたい場合はオプションを「ネガ」にします) - しきい値の値を調整することで、白黒の境界を調整することができます。
- 「エクスポート」ボタンをクリックすると、フットプリントファイルの保存画面になるので、名前をつけて適当な保存場所に保存します。
こうして下記のフットプリントを作りました。
・銅箔の文字部分
・シルクの塗りつぶし部分
・宛先部分(全面シルクで塗りつぶし、郵便番号の枠だけシルクを抜いています)
これでひとまず年賀状基板に必要な素材は完成しました。
あとはKiCadの基板エディタ上で作業していくことになります。
後編に続きます。
後編 > 年賀状基板の作製(後編)