KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


【プロフィール】
iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

仕様がまとまったので、今回からKiCadを使用して回路図を書いていきます。

KiCadプロジェクトの作成

  • まずは、今回のArduino互換基板用のプロジェクトを新規作成します。
  • KiCadプロジェクトマネージャの画面で、メニューバーの[ファイル] > [新規プロジェクト] > [新規プロジェクト]を選択
  • 作成するプロジェクトファイル名を入力して、任意のフォルダへ保存
新規プロジェクト
今回のKiCadプロジェクト名 : arduino_board
保存場所は「C:Users¥user¥Documents」内に「arduino_board」というフォルダを作成して、このフォルダに今回の各種KiCadのデータを保存することにします。

回路図エディタの起動

プロジェクトマネージャの画面で
  • 回路図エディタ「Eeschema」のアイコンをクリック
または
  • 回路図ファイル(拡張子.sch)をダブルクリック

 

使用ライブラリ・コンポーネント

CPU    : 「atmel」ライブラリの「ATMEGA328P-P

バッファ  : 「74xx」ライブラリの「74HCT541_PWR

コンデンサ : 「device」ライブラリの「C

抵抗    : 「device」ライブラリの「R

LED    : 「device」ライブラリの「LED」、「Led_Small

コネクタ  : 「conn」ライブラリの「CONN_01X10」、「CONN_01X04

USBシリアル変換モジュール : 自作

セラロック         : 自作

今回は、セラロックとUSBシリアル変換モジュールの回路コンポーネントはなかったので自作しました。

その他の部品はデフォルトで用意されているコンポーネントを使用しました。 


回路図

考えた仕様をもとに、回路図は下図のように書きました。

 arduino_board


自動リセット回路

本家Arduino Unoと同様に、シリアル通信の制御線(DTR)を使用してスケッチ書き込み時に自動でリセットがかかるようにしてあります。
自動リセット
スケッチ書き込み時にリセットしないと書き込みに失敗するようです。


電源フラグコンポーネント

回路図上の「Power Flag」の箇所は、「5V」と「GND」は電源である事を明示しています。

PWR_FLAG」は実際の部品ではなく、電源である事を明示するコンポーネントです。
電源フラグ

この明示がないとERC時に下記のようなエラーが表示されます。 
 電源フラグ無しエラー

このエラーは無視しても特に問題ないのですが、「PWR_FLAG」というコンポーネントを

5VGNDに接続する事で、「5V」と「GND」が電源ラインである事を明示します。

ERC(エレクトリカルルールチェック)

回路図ができましたので、回路図上でミスがないかERCを実行します。

  • 上側のツールアイコンで「エレクトリカルルールチェックの実行」アイコンをクリック
  • ERCの画面で「実行」ボタンをクリックでERCが実行されます
  • エラー一覧にエラーが表示されなければOKです

実行結果

ERC結果
特にエラーはなかったのでOKとなります。

  

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