ここからプリント基板エディタを使用して基板データを作成していきます。
プロジェクトマネージャの画面から
- プリント基板エディタ「Pcbnew」のアイコンをクリック
- 拡張子.kicad_pcbのファイルをダブルクリック
ネットリストを読み込む
回路図エディタで作成したネットリストを読込みます。
- ツールアイコンの「ネットリストの読込み」アイコンをクリックします。
- ネットリスト読込み画面で「現在のネットリストを読み込む」ボタンをクリックします。
ネットリストを読み込むと基板エディタ上に各フットプリントが表示されます。
読み込み直後はフットプリントが重なっているので、フットプリントの展開を行うと見やすくなります。
- モードをフットプリントモードにする
- 右クリックメニューから [グローバル移動/配置] > [全てのフットプリントを展開] を選択
スイッチサイエンスPCBの製造仕様を確認する
プリント基板メーカーはスイッチサイエンスPCBを利用しますので、スイッチサイエンスPCBの製造仕様を確認します。
スイッチサイエンスの基板製造サービス
https://www.switch-science.com/pcborder/
スイッチサイエンスPCBの技術ガイドのページで製造仕様が記載されています。
https://www.switch-science.com/pcborder/techguide/#specifications
- 基板の厚み : 0.4(4層以外), 0.6, 0.8, 1.0, 1.2, 1.6, 2.0mm
- 基板の面積 : 最小20×20mm
- 基板の厚みの誤差 : ±10%
- 絶縁体の厚み : 0.075-5.0mm
- 最小配線幅 : 0.1524mm
- 最小内層配線幅 : 0.204mm
- 最小配線/ビア/パッド間隔 : 0.1524mm
- 最小内層配線/ビア/パッド間隔 : 0.254mm
- 最小シルク幅 : 0.1524mm
- 最小文字サイズ : 1mm
- パッドとシルク印刷の最短距離 : 0.178mm
- 基板の外側の銅の厚み : 0.035-0.07mm(1oz-2oz)
- 基板の内側の銅の厚み : 0.017mm(0.5oz)
- 穴径 : 0.3-6.35mm
- ランド : 0.1524mm以上
- ランドの直径の公差 : ±0.08mm
- レジスト最小幅 : 0.1mm
- レジスト間の最低距離 : 0.13mm以上
- 外形から銅箔までの距離 : 0.4mm以上
- 穴や銅箔からもう一方の銅箔までの距離 : 0.3mm以上
- 最小長穴サイズ : 1×2mm
- 長穴の製造公差 : ±0.15%
- 基板を面付けするために必要な幅 : 基板の幅の1/3の長さ
- Vカットできる最小面積 : 70mm×70mm
デザインルールの設定
スイッチサイエンスの製造仕様を踏まえて基板エディタのデザインルールを設定します。
- プリント基板エディタのメニューから[デザインルール]>[デザインルール]を選択します。
グローバルデザインルールの設定
[グローバルデザインルール]のタブを選択して下記のように設定しました。
- ブラインド/ベリッドビアの禁止
- マイクロビアの禁止
- 最小配線幅:0.2mm
- 最小ビア径:0.5mm(※)
- 最小ビアドリル径:0.3mm
- 最小マイクロビア径、最小マイクロビアドリル径はデフォルト値のまま
ネットクラスの設定
次に[ネットクラスエディタ]のタブを選択して下記のように設定しました。
- ネットクラスは「Default」の1つだけ使用
- クリアランス:0.2mm
- 配線幅:0.25mm
- ビア径:0.6mm(※)
- ビアドリル:0.4mm
(※)間違い
ここで、最小ビア径=最小穴径+最小ランド幅=0.4524mm以上のつもりで最小ビア径を0.5mmにしていましたが、勘違いをしていました。
スイッチサイエンスPCB製造仕様をよく見ると
- 穴径0.3mm
- ランド幅0.1524mm なので
最小ビア径=(最小穴径の半径+最小ランド幅)×2=0.6048mm以上 が正しいです。
結果としては、実際のビア径が0.6mmでも特にメーカーから問題ありの連絡が来ることなく一応製造はできているようです。
が、仕様値ギリギリのような気がします。
基板に余裕があるなら、
- 最小ビア径:0.65mm以上
- ネットクラスのビア径:0.65mm以上
にした方が良いかもしれません。
次 > プリント基板データの作成(その2)
前 > 回路コンポーネントとフットプリントの紐つけ