KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


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iw回路設計
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8ピンATtiny(AVRマイコン)の書き込み用Arduinoシールドのメイキング動画
の記事およびメイキング動画にて、
基板データ作成まで行った『8ピンAVRマイコン ATtinyのスケッチ書き込み用Arduinoシールド』ですが、今回は基板化するために基板メーカーに発注を行いました。

今回は試しにPCBGOGOという基板メーカーに発注してみることにしました。
PCBGOGOは中国の基板メーカーですが、PCBGOGO.JPという日本語対応したサイトで発注を行うことができます。

今回、基板発注に際して行うことは以下の通りです。
  1. 基板メーカーの製造仕様を確認する
  2. ガーバーデータを用意する
  3. PCBGOGO.JPのサイトで注文する

基板メーカーの製造仕様を確認

本当は基板データ作成でのデザインルール設定時に確認すべき内容ですが、今回はこのまま発注して問題ないかを確認を行います。

PCBGOGOの製造仕様は「プリント基板製造能力(http://www.pcbgogo.jp/capabilities.html)」 のページで確認ができます。

PCBGOGO.JP基板製造基準(デザインルール)
項目製造基準(デザインルール)備考
層数片面、両面、四層、六層、八層、十層十層までの基板製作を受け付けします。
基材❶FR-4ガラスエポキン❷アルミ
レジスト(resist)感光性ソルダーレジストレジスト色:緑、赤、黄色、青、白、黒、なし
表面処理❶有鉛半田レベラー
❷無鉛半田レベラー
❸無電解金メッキ
❶HASL with lead
❷HASL lead free
❸Immersion gold
外形最大寸法❶片面、両面基板: 500mm*1200mm
❷四~十層基板: 500mm*900mm
4層以上の基板において、内層の最小導体幅/導体間隔は8milです。
基板外形公差±0.2mmルーター切り出し(CNC):±0.2mm;Vカット(v-cut):±0.5mm。
板厚板厚0.4 mm、 0.6 mm 、0.8 mm 、1.0 mm、 1.2 mm、 1.6 mm、 2.0 mm、2.4mm❶板厚が0.4mmの場合、外形加工にVカットは不可。❷板厚が2.0mm以上の場合のみ、外層銅箔3OZを受け付けます。
板厚公差(板厚≥1.0mm)±10%銅メッキ、レジスト(resist)、表面処理などの加工により、実際の板厚が厚くなる傾向があります。
板厚公差(板厚<1.0mm)±0.1mm
導体(パターン)導体幅/導体間隔≥4mil(0.1mm)❶4mil~6milの導体幅/導体間隔に対して基板費が高くなります。
❷4層以上の基板において、内層の最小導体幅/導体間隔は8milです。
導体端から外形までの距離≥0.3mm(12mil)ルーター切り出し:0.3mm以上
Vカット:0.4mm以上
銅箔外層銅箔厚❶1OZ(35μm)
❷2OZ(70μm)
❸3OZ(105μm)  
❶板厚が2.0mm以上の場合のみ、外層銅箔3OZを受け付けます。
❷導体間隔が0.2mm以下の場合、2OZの外層銅箔厚が実現できません。
内層銅箔厚❶1OZ(35μm)
❷1.5OZ(50μm)
❶内層銅箔厚はデフォルトで1OZにします。
❷1.5OZを指定したい方はPCBGOGO.JPをご連絡ください。
ドリル穴(drill hold)ドリル穴径0.2mm~6.3mm
ドリル穴径公差±0.08mm
仕上がり後のドリル穴径0.2~6.20mm表面に銅が付着しているため、製品のドリル径は小さくなります。 
2つのドリル穴の距離≥0.15mm(6mil)0.2mm(8mil)以上取ることをお薦めます。
端面スルーホールの穴径≥0.6mm(24mil)
ランド (land)ランド径≥0.4mm(16mil)
ランド座残りの幅≥0.1mm(4mil)ランド座残り(annular ring)とは、ドリル穴の周囲のパターンです。
パッド(pad)パッドから外形までの距離≥0.508mm(20mil)
パッドオンビア (pad on via)パッドオンビアの穴径0.2mm~6.3mm部品搭載のスペースを確保するために、パッドオンビアの穴径は部品のリード(lead)より0.2mm大きくデザインすることを薦めます。
パッドオンビアのランド座残りの幅≥0.2mm(8mil)
2つのパッドオンビアの距離≥0.3mm(12mil)
シルク (silk)シルク色白、黒、なし
文字幅≥0.15mm幅が0.15mm未満の文字は仕上がり後判読不可能な場合があります。
文字高≥0.8mm高さが0.8mm未満の文字は仕上がり後判読不可能な場合があります。
文字幅高さ比率1:05最適比率は1:5
面付けVカット (v-cut)❶Vカット線≥75mm
❷Vカット線と垂直する外形の幅:45mm~450mm
外形の寸法が面付け基準の寸法より小さい場合、外形データに捨て板を付けてください。
ルーター切り出し (CNC)❶基板間の距離≥1.6mm
❷ミシン目の穴径≥0.45mm
 

今回デザインルール設定では

  • 配線幅    : 0.4mm,0.8mm (製造基準 導体幅0.1mm以上)
  • クリアランス : 0.2mm    (製造基準 導体間隔0.1mm以上)
  • ビア径    : 0.65mm    (製造基準 ランド径0.4mm以上)
  • ビアドリル径 : 0.4mm     (製造基準 ドリル穴0.2〜6.3mm)
でしたので、問題はなさそうです。 
デザインルール


ガーバーデータを用意(出力)する

  • プリント基板エディタのメニューから [ファイル] > [プロット] を選択
でガーバーデータ出力の設定画面になります。 

ガーバー出力は下図の設定で行いました。
※ガーバーデータおよびドリルデータは保存用フォルダを作成してその中に保存します。
ガーバー出力1

続いてドリルデータ出力の設定
ドリルデータ

出力が完了したら、ガーバービューアで確認

念のためガーバービューアで確認しておいたほうが良いでしょう。
出力したガーバーデータを表示して、特におかしなところやミスがなければ大丈夫です。
ガーバービューア

出力したガーバーデータとドリルデータをzipファイルにする

PCBGOGOでは、ガーバーデータのファイル名や拡張子の指定はなさそうでしたので、ファイル名の変更などはせずにそのまま保存フォルダをzipファイルにしました。
ガーバーデータファイル

※発注後の後日談ですが、
特に発注時のデータ確認で引っかかることはなかったのでKiCadから出力したそのままのファイル名で問題ないようです。

これで発注用のガーバーデータは用意できましたので、あとはPCBGOGOのサイトで発注を行います。
次回に続きます。
 

次 > 【基板発注編その2】(PCBGOGOへ発注) 


今回発注を行った基板のメイキング動画はこちら↓
8ピンATtiny(AVRマイコン)の書き込み用Arduinoシールドのメイキング動画 


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