KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


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iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

※この記事はKiCadバージョン4.0.2を使った作成記事です。
バージョン5.0に対応した記事はこちらをご覧ください→  【KiCad5.0対応版】DCジャック変換基板の作成(2) 〜仕様を考える〜

DCジャック変換基板を作成するにあたって、どんな基板にするか簡単な仕様を考えます。

基板の概要

  • DCジャックをブレットボードで使用できるようにピン変換する基板
  • 通電していることが確認できるインジケータとして、LED回路も設ける 


入力コネクタ : DCジャック

出力コネクタ : 2極ピンヘッダ(1番ピン:+、2番ピン:ー とする)

基板外形 : 30×30mmくらい
LEDインジケータ : 電源が入力されたら点灯 



基板のイメージとしては、下図のような感じにしたいと思います。
基板概要
 
簡単ですが、回路のブロック図です。
ブロック図

上記を踏まえて、回路図を手書きで書きました。
IMG_0169



部品

実装する部品は秋葉原(秋月電子さん等)で入手できるものを使用することにします。
必要な部品は下記の4つです。
 

DCジャック : 2.1mm標準DCジャック
LED : 一般的な砲弾型LED
LED電流制限用の抵抗 : 炭素皮膜のリード抵抗
ピンヘッダ : 2.54mmピッチの2極ピンヘッダ 



次にそれぞれの回路ブロックについて考えていきます。

電源入力部

DCジャックは秋月電子通商さんで購入出来る「MJ−179PH」を使用することにします。
(http://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-06568/
MJ−179PHの定格が12Vなので、入力電圧は12V以下となります。
今回は簡単にするために入力電圧は5Vに限定した基板とします。
 

対応する電源プラグ : センターが「+」、内径2.1mm 

センター端子 : +5V

バネ端子 : GND

固定端子 : 未使用(未接続)

 

LED回路

・インジケータのLEDに流す電流は510mAくらい

・LEDのVF(順電圧)は2Vと想定
 

LED電流制限抵抗値の計算

LED電流制限抵抗値=(入力電圧ーVF)/LED電流
ですので 、10mA流した場合と5mA流した場合を計算すると下記のようになります。


5V
入力、10mA時 : 300Ω 0.03W

5V入力、5mA時 : 600Ω 0.015W

 

上記計算値の範囲内で、最大電力0.03Wに対して、定格電力が2倍以上の余裕がある適当な抵抗を選定します。

今回は330Ω、1/4Wのリード抵抗を使用することにします。
 

電源出力部

出力コネクタは2.54mmピッチの2極ピンヘッダを使用することにします。

1番ピン : +5V

2番ピン : GND

 

 

次回からKiCadを使用していきます。
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