KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


【プロフィール】
iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

今回は作成した基板データについて、解説(+失敗談)をしたいと思います。

レイアウト

今回の基板は下図のようなレイアウトで作りました。
おもて面レイアウト
裏面レイアウト
 リード部品が多かったので、意外とスペースに余裕がありませんでした。
できる限り小さくしようと詰め込んだつもりですが、結果的に 32mm×92mm くらいのサイズになってしまいました。 

配線

おもて面配線

裏面配線
配線はそれほど苦労はしませんでしたが、
ESP-WROOM-32とI/Oコネクタ間の配線でGNDベタが分断されてしまって、電源回路とESP側のGND接続がやや細くなってしまいました
また、後々になって見てみると、電源レギュレータ周辺のGNDベタももう少し太くできれば良かったです。

今回は2層基板でしたが、ちゃんと電源やGNDの事を考えた基板にするには4層で作成した方がより良いかもしれませんね。
 

【失敗談】USBコネクタのうっかり確認ミス

ESP-WROOM-32汎用基板の作成(9) 〜回路コンポーネントとフットプリントの関連付け〜 
の記事でも書いた内容ですが、USBメス(Aタイプ)コネクタのフットプリント をオスのAタイプコネクタと勘違いして使ってしまっていました。

ある程度配線が終わった後、3Dビューアで基板を確認していたところ、
USBコネクタの3Dモデルが『コネクタのサイズが思っていたものと違うような・・』と思い、よく見てみたら
「!?、これはUSBメスのAタイプコネクタだった!!!!」
USB失敗1
と、この時になって気がつきました。
USBのAコネクタであればフットプリントは大体同じだろうと思い込み、コネクタ固定端子の形状違いピン配置が逆になるということがすっぽりと抜け落ちていました。。。
 
フットプリント自体は修正できるので問題ないのですが、コネクタのピン配置がオスとメスで真逆になるので、配線も修正が必要になってしまいます。 
データ信号線はともかく、電源端子が逆になってしまうので、配線だけでなくレイアウトも変える必要がありそうでした。
USB失敗2
 

苦し紛れの仕様変更で解決

他のリード部品と同じく、USBコネクタはおもて面に実装予定でした。
今回使用するUSBオスのAタイプコネクタのフットプリントは左右対称でしたので
『このままでも裏面に実装すれば、配線修正することなく万事解決では・・?』と思いつきました。
 
と、いうことでフットプリントのピン配置の変更(固定用の端子部分だけ修正)や配線の修正はせずに、『裏面から挿入して実装する』という苦し紛れの仕様変更で済ますことにしました。
USB失敗3
この方法は自分で設計した個人製作の試作基板だからできる所業ですが、ちゃんと確認しないと余計なお仕事が増えますので、気をつけましょう。。。
 
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