KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


【プロフィール】
iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

今回の基板の発注は「スイッチサイエンスPCB」を利用することにしました。
近頃は海外基板メーカーも日本語対応などで利用しやすくなってきていますが、スイッチサイエンスPCBは日本企業が仲介しているだけあって、
  • 領収書の発行
  • 銀行振込や代引き
  • ネコポスでの発送
など、海外メーカーにはない痒い所に手が届くサービスがあります。
(個人的にはネコポスでの発送はすごく助かります)

デザインルール設定

スイッチサイエンスPCBの基板製造仕様は https://www.switch-science.com/pcborder/techguide/ のページで確認できます。

基板データ作成時のデザインルール設定は下記のようにしました。 
デザインルール1
 ネットクラスは「Default」「bold」という名前で2種類用意して使用しました。
  • 電源ラインは0.8mmの太めの配線(bold)
  • それ以外の信号線は0.25mmの配線 (Default)
としました。

その他の設定
  • クリアランス:0.2mm
  • ビア径   :0.65mm
  • ビアドリル :0.4mm
 
グローバルデザインルール設定
  • 最小配線幅    :0.2mm
  • 最小ビア径    :0.65mm
  • 最小ビアドリル径 :0.3mm
  • ブラインド/ベリッドビア禁止
  • マイクロビア禁止
デザインルール2
 

ガーバーデータの出力

プリント基板エディタのメニューから
  • [ファイル] > [プロット] を選択
ガーバーデータの出力設定画面が開きます。

ガーバー出力設定
ガーバー1

ドリルファイル出力設定
ガーバー2
あらかじめガーバーデータ保存用のフォルダを用意して、その中に保存するようにします。

ガーバービューアで確認

ガーバーデータを出力し終わったら、
念のため、おかしなところがないかガーバービューアで表示させて確認を行います。
ガーバービューア

 

ガーバーデータの名称と拡張子変更

スイッチサイエンスPCBの場合、提出するガーバーデータのファイル名と拡張子の指定があります。
詳細は技術ガイドのガーバーデータ https://www.switch-science.com/pcborder/techguide/#layer のページで確認できます。
それに従って、下記のようにファイル名変更を行います。
ガーバー3
今回は「esp32_board」という名称でファイル名を統一しました。

あとはこれらのデータを保存しているフォルダをzipで圧縮します。 

スイッチサイエンスPCBで発注

ガーバーデータが用意できたら、スイッチサイエンスPCB (https://www.switch-science.com/pcborder/)のページで発注を行います。

基板仕様の選択
今回は下記の基板仕様としました。
  • 表面処理 :鉛入りはんだレベラー
  • レジスト色:赤
  • 銅箔厚  :1oz
  • 層数   :2
  • 最大外形 :5cm×10cm
  • 枚数   :10枚
  • 基板厚  :1.6mm
 発注

ガーバーデータをアップロードすると簡易ビューアで基板が表示されます。
上図のようにおかしな表示になることがあるようですが、前述のガーバビューアでの確認で問題なければ大丈夫です。

内容に問題なければ、購入手続きを行って発注は完了です。
だいたい注文から2〜3週間ほどで基板が手元に届きます。 

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