KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


【プロフィール】
iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

※この記事は過去の「DCジャック変換基板の作成記事」をKiCadのバージョン5.0向けに書き直した記事です。
過去のバージョン4.0での作成記事はこちらをご覧ください→  DCジャック変換基板の作成(15) 〜プリント基板データの作成(その8)〜

前回までで部品配置・配線・シルク等の調整が終わりましたので、最後の確認としてDRC(デザインルールチェック)を行います。

デザインルールチェックを行う

プリント基板エディタを使う際に、基板メーカの製造仕様に合わせてデザインルールの設定を行いましたが、それを満たした基板となっているかを確認します。

  1. 上側のツールアイコンから「デザインルールチェックを実行」アイコンをクリック
  2. DRC(デザインルールチェック)のウインドウで、オプション欄の最小配線幅や最小ビアサイズはデザインルール設定で行った値があらかじめ入力されていますので、そのままにします
  3. オプション欄のチェックボックスは必要に応じてチェックします(※1)
  4. 「DRCの開始」ボタンをクリックします。

すると、メッセージの欄に実行中の動作が表示されます。

メッセージ欄に「終了」と出ればDRCは終了です。この時にエラーメッセージの欄にエラー表示がなければ、デザインルールチェックは問題なしということになります。

 kicad5_dcjack15_1

もし、パターン間の間隔が狭かったりするとその旨のエラーと基板上にマーカーが表示されます。

その時は配線や部品を再度調整して、エラーが出ないようにする必要があります。


(※1)DRCウインドウのオプション欄のチェックボックスについて

  • ①「DRC実行前に全てのゾーンを再塗り潰し」 : DRC実行前にベタパターンの状態を最新に更新します(更新前の状態でDRCが行われることを防ぐため)
  • ②「配線のエラーを全てレポート」 : 配線のDRC違反を全てレポートされます
  • ③「フットプリント・コートヤードのオーバーラップをチェック」 : フットプリントの部品外形(コートヤード)の干渉をチェックします
  • ④「フットプリントで見つからないコートヤードをチェック」 : フットプリントの部品外形(コートヤード)が定義されているかチェックします
必要ないエラーが表示される可能性もありますが、①②③はチェックをつけておくと良いと思います。


プリント基板データ作成完了


今回はエラーは出ませんでしたので、これでプリント基板データの作成は完了となります。

  • [ファイル]  >  [保存] を選択
または
  • 「基板の保存」アイコンをクリック
で忘れずに現在の基板データを保存しておきましょう。
kicad5_dcjack15_2


次 > プリント基板の発注(その1)
前 > プリント基板データの作成(その7) 

 



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