※この記事は過去の「DCジャック変換基板の作成記事」をKiCadのバージョン5.0向けに書き直した記事です。
過去のバージョン4.0での作成記事はこちらをご覧ください→ DCジャック変換基板の作成(6) 〜回路コンポーネントとフットプリントの紐つけ〜
回路シンボルとフットプリントを関連付けを行う
KiCadでは、回路図エディタ上の回路シンボルとフットプリントは直接結びついていません。これは
- 『回路図を書いた後に抵抗をリード部品から表面実装品に変えたい』
- 『同じ回路で別バージョンの基板を作成する』
しかし逆に言うと、基板データを作成するには、回路図を書いた後に全ての回路シンボルにフットプリントを関連付けさせる必要があります。
今回の回路図を作成した時点では、回路図上の回路シンボルにはフットプリントが割り当てられていませんので、回路シンボルとフットプリントの関連付けを行うツールを使用して行っていきます。
フットプリント関連付けツールの起動
ツールは回路図エディタEeshema上から起動することができます。
- 上側のツールアイコンで「回路図シンボルへPCBフットプリントを関連付けする」アイコンをクリックすると起動します。
まずは各部品と使用するフットプリントの寸法確認を行います。
DCジャックのフットプリント
- 上側ツールアイコンの「ライブラリーでフットプリントを絞込み」アイコンをクリックして選択された状態にします。(絞り込みの方法は他にもありますが、今回はこの方法で進めます)
- 部品番号J1がDCジャックであるので、これをクリックして選択します。
- 左側にフットプリントのライブラリが表示されているので、この中の「Connector_BarrelJack」を選択すると、右側にConnector_BarrelJackライブラリ内のフットプリントが表示されます。
- 今回はConnector_BarrelJackライブラリ内の「BarrelJack_Horizontal」を選択します。
- ここでツールアイコンの「選択したフットプリントを見る」のアイコンをクリックすると実際のフットプリントを参照することができます。
・「BarrelJack_Horizontal」のフットプリント参照および寸法の確認
フットプリント参照画面右下にマウスカーソルの座標表示がありますので、この値を見ながらカーソルを動かすことで寸法確認ができます。
座標表示は左側の(X,Y)が絶対座標、右側の(dx,dy)が相対座標になっています。
相対座標は「スペースキー」を押すと、その時のカーソル位置を(0,0)にすることができますので、寸法を測るときはこれを使うと測りやすいと思います。
今回使用するDCジャックは秋月電子通商さんで購入出来る「MJ−179PH」としましたので、このデータシートの図面とフットプリントの寸法を比較して問題ないか確認します。
・DCジャック「MJ−179PH」のデータシートより抜粋
「Connector_BarrelJack」ライブラリの「BarrelJack_Horizontal」と「MJ−179PH」の寸法と比較すると
- 「BarrelJack_Horizontal」のセンター端子(1番ピン)の穴の長さが 3.0mm
- 「MJ−179PH」のセンター端子(1番ピン)の幅が 3.0mm±0.1mm
このままだとセンター端子(1番ピン)の穴に端子が入らない可能性があるため、穴の長さを3.5mm程度に広げる必要があることがわかりました。
ただし、この修正はここでは行わずに、後の基板エディタで基板データを作成する際に行います。
LEDのフットプリント
次にDCジャックと同様の手順で、実際のLEDの寸法を確認します。
一般的な砲弾型LEDのリードピッチは2.54mm、リード径は0.4〜0.5mmです。
下図は秋月電子通商さんで入手できるスタンレー電気製の「EBG3402S」データシートから抜粋
対応するフットプリントは「LED_THT」ライブラリの「LED_D3.0mm」が修正の必要もなく適当であるため、これを使用することにします。
抵抗のフットプリント
実際の抵抗の寸法を確認すると
330Ω、1/4W品の寸法 : (L)6.3mm×(D)2.3mm、リード径0.45mm
・秋月電子通商さんで入手可能なリード抵抗のデータシート
対応するフットプリントは
「Resister_THT」ライブラリの「R_Axial_DIN0207_L6.3mm_D2.5mm_P10.16mm_Horizontal」がフットプリントの修正が必要なく適当と考えられますので、これをそのまま使用することにします。
出力コネクタ(ピンヘッダ)のフットプリント
一般的な2.54mmピッチの2極ピンヘッダに対応するフットプリントは
「Connector_Pinheader_2.54mm」ライブラリの「PinHeader_1x02_P2.54mm_Vertical」が適当と考えられるので、これを使用することにします。
回路シンボルとフットプリントの紐つけを行う
それぞれの回路シンボルを選択した状態で、選んだフットプリントをダブルクリックすると関連付けすることができます。
上記で選んだ通り、
- [LED] D1 : LED_D3.0mm
- [DCジャック] J1 : BarrelJack_Horizontal
- [出力コネクタ] J2 : PinHeader_1x02_P2.54mm_Vertical
- [抵抗] R1 : R_Axial_DIN0207_L6.3mm_D2.5mm_P10.16mm_Horizontal
関連付け情報の保存
- ウインドウ右下の「適用して、回路図を保存&続行」ボタンをクリック
でフットプリントの関連付け情報が保存されます。
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