KiCadで基板を作る

オープンソースの回路CAD「KiCad」を利用した回路設計や基板製作などを紹介します。


【プロフィール】
iw回路設計
KiCadで回路設計や基板設計をしたりしています。 https://iw-circuitdesign.net

※この記事は過去の「DCジャック変換基板の作成記事」をKiCadのバージョン5.0向けに書き直した記事です。
過去のバージョン4.0での作成記事はこちらをご覧ください→  DCジャック変換基板の作成(番外編) 〜3Dビューアで基板を確認〜

プリント基板データの作成(その6)まで基板データの作成を進めてきましたが、ここらでちょっと休憩がてら3Dビューア機能で作成中の基板を見てみます。

3Dビューアで基板を確認

KiCadには、プリント基板の3Dビューア機能があります。

これを利用すると作成中のプリント基板を3Dで確認することができます。

メニューバーの

  • [表示] > [3Dビューア]
を選択すると、3Dビューアが起動します。
 kicad5_dcjack_3d_1

基板を3Dでいろいろな位置から確認できる

今現状のプリント基板は下記のように表示されます。

3Dモデルの用意されている部品を使用した場合は、実装した状態で表示できます。

基板作成中にいつでも基板をグリグリ動かして、いろいろな位置から確認できますのでなかなか便利です。

レジストの色やシルクの色も設定で変更できます。
kicad5_dcjack_3d_2

基板メーカによって製造できる仕様が異なりますので、この3Dモデルの通りに製造されない場合もあるかと思います。

ですが、ある程度の目安になりますし、基板発注前に基板の出来上がりイメージを確認するのに役立つと思います。

KiCad バージョン5.0の新機能

レイトレーシング

バージョン5.0の3Dビューアでは、レンダリングエンジンの設定で「レイトレーシング」が選択できるようになりました。
これによってよりリアルな3Dモデルを表示することができるように。
kicad5_dcjack_3d_3
kicad5_dcjack_3d_4

STEPファイルのエクスポート

3Dビューアとは別の機能ですが、基板のデータをSTEPファイルとしてエクスポートすることができるようになりました。
  • メニューバーから [ファイル]  >  [エクスポート]  >  [STEP]  を選択
kicad5_dcjack_3d_5


バージョン4.0でもVRMLファイルとして3Dモデルデータのエクスポートは可能でしたが、Fusion360などに取り込むにはファイル変換などが必要で少々面倒でした。 
STEPファイルのエクスポートに対応したことで、Fusion360で直接取り込みができるようになり、編集も可能なのでかなり便利になりました。 

・Fusion360でエクスポートしたSTEPファイルを取り込んだ様子
kicad5_dcjack_3d_6
 


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