LiPoバッテリーの状態を確認したい
最近はリチウムイオンポリマーバッテリー単体や充電するためのモジュールなども販売されているため、自作機器に組み込んだりすることも容易になってきました。しかし過充電や過放電、過電流等で発火する可能性があるなど何かと扱いに気を使う必要があります。
なので、実験中にバッテリーの状態を見ることができるものがあるといいなあと思い、バッテリ残量計ICのMAX17201を搭載したモジュール基板を作ってみました。
※リチウムイオンバッテリーの充電ICのモジュール基板は結構出回っていますが、 残量計ICのモジュールはあまり見かけない気がします。
バッテリー残量計IC MAX17201について
MAX17201はMaxim製の残量計ICです。このICはバッテリーパックに組み込んで使うことを想定しているようで、各種設定を保存するための不揮発性メモリも備えています。
- 型名 : MAX17201
- メーカー : Maxim Integrated
- 対応バッテリー : 1セルのリチウムイオンバッテリー
- ICから得られる情報 : バッテリーの容量、電圧、電流、温度など
- インターフェース : I2Cインターフェース(I2C通信で設定や状態の読み出しなどをすることが可能)
- メーカーサイト : https://www.maximintegrated.com/jp/products/power/battery-management/MAX17201.html
作成したモジュール基板
このモジュール基板はMAX17201と必要最低限の周辺部品を実装し、2.54mmピッチ・10ピンのSIP形状にした基板で、ブレットボードなどでの実験用途で扱いやすいようにしてみました。
- 残量計IC : MAX17201G+ (14ピンTDFNパッケージ)
- 電流検出抵抗 : 0.01Ω±1%、1W (接続したバッテリーの電流を計測するための抵抗です)
- 対応バッテリー : 1セルのリチウムイオンバッテリー
- 接続端子 : 2.54mmピッチ、10ピンスルーホール
- 基板外形 : 15mm × 27mm
回路図
基板の接続端子
- BAT+ : バッテリーの+極
- BAT- : バッテリーのー極
- GND : MAX17201および上位接続先回路のGND
- ALRT1 : アラート出力
- AIN1 : 外部入力端子1(サーミスタ接続用)
- AIN2 : 外部入力端子2(サーミスタ接続用)
- OD/SCL : I2Cインターフェース(SCL)
- DQ/SDA : I2Cインターフェース(SDA)
- THRM : サーミスタ用バイアス出力端子
- GND : MAX17201および上位接続先回路のGND
今回は部品実装もしてもらいました
いつもは基板メーカーに生基板だけを製造してもらい、部品は自分で実装していたのですが、今回は試しに部品調達&部品実装もしてもらいました。今回の基板製造はPCBGOGOさん(https://www.pcbgogo.jp)にお願いしました。(基板製造と部品実装サービスを利用)
出来上がりまでの期間
約1ヶ月弱くらいで出来上がって手元に届きました。今回使用した「MAX17201」はあまり入手性が良くなさそうでしたので、部品調達にやや時間がかかったのかなと思います。
ただ、部品の調達から実装まで全てやってもらえるので、基板が手元に届いたらすぐに動かして実験できるというのはすごく楽ですね。
利用例
- バッテリーを扱う回路実験でのバッテリー状態管理や計測
- 保管しているバッテリーの状態管理 などなど
M5Stackは液晶とリチウムイオンバッテリーを内蔵しており、バッテリー状態を液晶に表示するプログラムが割と簡単に作れるので、今回の基板を実験するのに打ってつけでした。
↓KiCadでの設計作業についての記事はコチラ
バッテリー残量計IC(MAX17201)のモジュール基板を作りました 〜KiCadでの設計作業編〜